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サッカーのこばなし。~判断~編

  • 執筆者の写真: ISHII
    ISHII
  • 2020年10月5日
  • 読了時間: 7分

更新日:2022年9月29日

真夏の暑さも忘れがちな今日この頃ですが、

皆さんいかがお過ごしでしょうか?


今回は、″判断″をテーマに話を少し。

お付き合い頂けたら光栄です。


″判断″

  1. 物事の真偽・善悪などを見極め、それについて自分の考えを定めること。「適切な判断を下す」「なかなか判断がつかない」「君の判断にまかせる」「状況を判断する」

  2. 吉凶を見分けること。占い。「姓名判断」

  3. 論理学で、ある対象について何事かを断定する思考作用。また、その言語表現。普通は「sはpである」「sはpでない」という形式をとる。

サッカーでの意味合いとは少々異なる様に思いますが、大体こんな感じですね。

サッカーをする上で、ボールと同じくらい必要で、無ければいけない。

判断なくしてサッカーは出来ないのではないでしょうか。

本当は、生きていく、生活していく上でも意識的、または無意識に常に″判断″している。

と言うのが自分の考えであります。あくまで自分の考えです。

それを踏まえて読んでいただきたい。笑


『すべては″判断″することから始まり、最後まで必要なもの。』



ree

ロールプレイングゲームでモンスターに遭遇した時どうするのか。

みたいな感じで、


サッカーに置き換えてみると、

『自分のところにボールが飛んできた。』


▶とめる

 ける

 よける

 歌う


こういった様に、次に起こすアクションを選択する。



自分的にサッカーで言う″判断″というものは、

真偽、善悪、YES NO 的にどちらかを選ぶと言うよりも、

それぞれが持っている引き出しの中から何を選ぼうか、という選択をする意味合いですね。


上では引き出しには4個の選択肢があり、どれを選択するか。

例えば『よける』冗談みないな話ですが、こんな判断をする子いますよね?

ただ、こんな判断をする子は、考える時間があり、

『さぁボールが飛んできたぞ!どうしようかな?』

『勢いが強いな、よけようかな、、、』

といった思考での行動というよりは、

急に飛んできたボールに対して考えて、選択する時間がなく、

防衛本能により、脳が危険と判断し無意識によける。

こんな感じじゃないでしょうか。

まれに考える時間があってもやっぱり危ない、怖いとよける判断をする子もいるでしょう。


そういった本能的な部分は他人がどうこうするのは非常に難しい部分だと思います。

自分もそうですが、かなり多くの指導者の方達が感じているであろう、

恐怖心から起因していると思われる″ハイボール処理苦手問題″については、

また機会を設けて話たい内容ではありますね。


しかし今話をしたいのはそこではない。

イレギュラーな状況ではない部分。

サッカー通常運転時の″判断″の話です。


前置き長くなりましたが、


ようやく本題サッカー的″判断″についてです。


練習や試合で指導者がどんなアドバイスや指示を伝えたとしても、

実際に考え、判断し、行動するのは選手ですよね。

応援に来た保護者でも、指導者でもないんです。

そこはまず頭に入れておいて頂いて、

さらにボールを持っている選手にフォーカスして話を掘り下げます。

※オフザボールの選手の判断の話はちょっと横に置いておいて。


例えば、ボールを持っている選手の前に3人の相手選手がいるとします。

味方の選手もパスをもらえる位置でフォローに入っています。

味方Aが前に、右にBも左にCも。なんなら後ろを向けば味方Dも。

盤石な体制です。ボールを持っている選手は後ろの選手Dは把握できていないものの、

ABCの選手がいるのを把握しています。

さぁどうする?

ここで決定権をもっているのはAでもBでもCでもDでも保護者でもコーチでもなく、

″ボールを持っている選手″ですよね。

そしてその選手が判断し選択したプレーが敢えての3人相手のドリブル突破!笑

だったとしましょう。

この判断は間違っている?

YES or NO

その状況はパスを選択するのが正解?

それとも、果敢にチャレンジするの最高?

はたまた、

まだ何とも言えないよ。その選択をした後どうなったの?


って思います?


仮に、

ドリブル失敗!相手にボールを奪われてしまいました。

と、なったら?

判断は間違っていた?

逆に3人相手にドリブル突破成功したら?

それでも判断としては間違ってる?

もしくは成功したから判断は正しかった?


難しいですよね。


判断の正解ってなんでしょう?

結果次第になるんでしょうか?


この辺りについて指導者の意見、考え方を是非聞かせて頂きたいですね。


自分の考え方としては、判断に不正解は無いと考えます。

やはり判断した時点での話にはなりますが。

結果として、ボールを奪われてしまったとしたら失敗したことにはなりますから。

ただ結果失敗でも、判断に不正解はない。

意味がわからないかも知れませんが自分はそう考えています。

指導者として、コレをしちゃダメ。アレをしなきゃダメ。

というようなことは言わないです。


じゃあ指導者としてどうするか?

自分はというと、ずばり選手の持っている引き出しの補充と整理整頓!

引き出しのなかのモノの取扱説明書の添付。

足りないものをそっと足し、

引き出しに入ってはいるけど、

使い方がわからないモノの説明をしてあげる。

引き出しの中身が増え、選択肢が多くなり、判断の幅が広がる。

良い傾向です。

そもそも引き出しに入っていないものは使う事出来ませんよね。

しかし、引き出しに入っていたからといって使い方や使う場所、

まぁ場合も加えるとTPOですね。

TPS Situation 状況、とした方がしっくりくるかもしれません。

それを間違えるのは良くないと思います。成功率が下がったり、リスクが上がったり。

それを間違えない様に説明すること。

整理整頓としては引き出しにフォルダを作り、

例えば使う場所ごとに分けてあげる。

ディフェンディングサード、ミドルサード、アタッキングサードなんて言ったりしますが、

エリアごとのリスクについて説明を添える。

そうした後に、上記の様な状況で3人相手にドリブルを選択した選手に対し、

たとえばディフェンディングサードでの判断だったとしたら、

今のプレー(判断)はどのフォルダから出してきたのか聞きます。

成功しても失敗しても。

ディフェンディングサードのフォルダに入ってなくない?って。

引き出し見てごらん。て。

それで″フォルダ間違えた!″アタッキングサードのフォルダだった。

と自分で気付ればいいかなぁと。

そして選手達がフォルダをうまく使いこなし、

自分の力で最善の選択、正解に近い(成功率の高い、リスクの低い)モノを選べるシーンを増やして行けたら最高だと思います。

判断するのは自分だから。

勿論、技術の向上で成功率は高くなるし、技術が足りず失敗してしまう判断もある。

引き出しの中身、フォルダの中身のアップデードも忘れずに。


具体的な例として我がチームのことをひとつ挙げるならば、

まず、『シザース』という相手をかわすフェイント(武器)を一つ徹底してやりました。

ひとりでも多くの選手の引き出しに入るように続けました。

やはり個人差はあるものの、うまく引き出しに収納できた選手が出てきました。

ただしまだこの『シザース』のデータは引き出しには何とか入ったものの、

鍵(パスワード)が掛かっていてうまく開けません。そこで鍵(パスワード)となる経験を積む。

練習でも試合でも相手選手がいる状況で、

何度もチャレンジすることで『シザース』の鍵(パスワード)を手に入れ開錠。

いつでも使える状態で引き出しに入れておくことが出来ました。

『シザース』という武器を手に入れた選手は使いますよね。

まだそれしか入ってなかったら尚更のこと。

場所なんて、状況なんてお構いなし。

最終ラインでディフェンディングサードでも。

迫りくるモンスター(相手)を切りまくります。

『シザース』武器に磨きがかかりますね。レベルも上がります。

ただ、時にレベルの高いモンスターに遭遇し、返り討ちに合うことも。

見てる人はハラハラしちゃう、、、


そこで!!


引き出しの整理整頓です。

まずはフォルダを作り、

『シザース』の取扱説明書と一緒にアタッキングサードのフォルダに入れる。

そうすることで、『シザース』の適切な使い方、場所などを理解することが出来る様に。

勿論、間違えることもありますが、上でも書いた様にそんな時はフォルダ確認の指摘をしてあげることが出来ます。

我がチームはそんな感じでやっています。

(実際にはフォルダなんて言葉は使っていません。)

※引き出しが空の状態でフォルダを準備することはしていません。

いつでも使える状態のモノがある程度溜まってきたらフォルダ作って整理整頓という感じです。


こういった考え方でやっていくのは自分の思う理想であり目指しているところです。

実際は簡単じゃない。むしろ難しい。


以上、『話を少し』なんて始めてみたら過去最高に長くなりましたが、

ここまでお付き合い頂きありがとうございました。


これを読んでくれた方の参考のひとつにでもなれば幸いです。






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